2025年7月5日 更新!
地震で瓦が壊れたら自分で直して大丈夫?DIYする場合の危険と対処法
地震で瓦屋根がずれたり落ちたりしたとき、「脚立もあるし、自分で直してしまおうか」と考える方は少なくありません。修理業者に依頼する前に少しだけでも…と思ってしまう気持ちもよく分かります。 しかし、こうした“軽い気持ち”による高所作業が、重大な事故につながるリスクをはらんでいることをご存じでしょうか? 実際、消費者庁の発表によれば、高所作業中の転落・転倒事故は2022年だけでも約5,000件報告されており、そのうち多数がDIY中の一般家庭で発生しています。中でも屋根まわりの作業はバランスを崩しやすく、重傷事故や最悪の場合は命にかかわる事態にもつながります。 この記事では、瓦屋根を自分で直すことの危険性や注意点、そして専門業者に依頼するメリットや費用面の考え方などを、現場経験豊富な立場から分かりやすく解説します。 「本当に自分で直して大丈夫?」と不安に思ったら、ぜひこの記事を参考にしてください。 瓦屋根を自分で直しても大丈夫? 結論からお伝えすると、瓦屋根のDIY補修はおすすめできません。 その理由は単に「難しそうだから」ではなく、安全性や仕上がり、後々のトラブル防止の観点から見て、専門的な知識と経験が必要な作業だからです。 地震などの自然災害後は、「業者に頼む前にとりあえず自分で応急処置を…」という方も多いのですが、瓦屋根の構造は非常に繊細で、1枚のズレや設置ミスがさらなる損傷を引き起こす原因になることもあります。 また、DIYで対応した後に保険申請をしようとしても、「修理済みの状態では被害が正しく評価できない」と判断され、補償が受けられなくなるケースも実際に起きています。 現場でも「最初は自分で直そうと思ったけど、高くて怖くて断念した」「応急処置のつもりが余計にひどくなってしまった」という声を多く耳にします。 安易に考えて作業を始める前に、本当にDIYで大丈夫かを冷静に判断することが大切です。 DIY修理で起こりやすい3つの危険 瓦屋根のDIY修理は、一見簡単そうに見えて実はさまざまな危険が潜んでいます。ここでは、実際の現場でも多く見られる「代表的な3つのリスク」をご紹介します。 1. 高所作業による転落事故 屋根の上は非常に危険な作業環境で、建築現場などの基準では「2メートル以上」が高所作業と定義されています。実際にはわずか1メートル程度の高さでも、転落の仕方によっては骨折や頭部外傷につながることがあり、決して油断できません。 瓦屋根の補修を行う場合、地上からの高さは通常2.5~3メートル以上がほとんどで、傾斜がある分バランスを崩しやすく、滑落のリスクも格段に高まります。 消費者庁の統計では、脚立や屋根からの転落事故は年間5,000件以上報告されており、中には命にかかわる重傷事故も少なくありません。 プロでさえも安全帯や足場を使って作業するほど、屋根の上は危険な場所です。たとえ「少しだけの補修」のつもりでも、高所作業に不慣れな方が安易に手を出すのは避けるべきでしょう。 2. 瓦の設置ミスによる再破損・雨漏り 瓦の設置には見た目以上に繊細な技術が求められます。1枚の瓦の位置や角度が少しでもズレると、全体の構造バランスが崩れ、強風時に瓦が飛散するリスクが高まります。また、瓦の下にある防水シートや桟木などの下地に問題がある場合、それに気づかずに上から瓦だけを戻しても、雨水が侵入しやすい状態のまま放置することになります。 特に地震のあとに瓦がずれている場合、その下の構造材も一緒に動いていたり破損していたりするケースが多く見られます。見た目だけを整えても、構造的な不具合を放置してしまい、結果として雨漏りや屋根全体の崩落につながる恐れがあります。これらを未然に防ぐためにも、専門家による点検が重要です。 3. 保険申請や補償のトラブル 地震や台風などの自然災害による瓦屋根の破損は、火災保険や地震保険の補償対象になることがあります。しかし、自分で修理を行ってしまった後では「被害の証拠がない」と判断され、申請が却下されるケースが少なくありません。 補償を受けるためには、破損箇所の写真・動画の記録、被害発生時の状況説明、適切な見積書などが必要です。プロの業者であれば、保険会社が求める形式に沿った資料作成や、鑑定時の立ち会いにも対応可能です。 一方、DIYで応急処置をしてしまうと、「被害箇所が不明瞭」「修理の履歴が残らない」といった理由で、保険金が支給されない、もしくは減額されるといったトラブルが発生しやすくなります。大切な補償を無駄にしないためにも、まずは修理前にプロに相談するのが賢明です。 以上のように、瓦屋根のDIY修理は、費用や手間を節約するつもりが、結果として「高くつく」危険性があることを知っておいてください。 プロに任せたほうが安心な理由 瓦屋根の修理は、専門業者に依頼することで多くのメリットが得られます。DIYでは対応しきれないリスクを回避し、確実で長持ちする施工を実現するためにも、プロの力を借りる選択は非常に合理的です。 1. 安全な作業体制と専用機材 私たち専門業者は、安全帯や足場などの安全対策を万全に整えたうえで作業を行います。高所作業に慣れていない方に比べ、事故のリスクを大幅に軽減できます。 2. 瓦の状態を正確に診断できる 表面のひび割れだけでなく、下地材の傷みや防水シートの劣化など、目に見えない部分までしっかりと確認し、必要に応じて部分補修・全体補修を適切に判断できます。 3. 補修の質が高く、長持ちする 瓦の固定や目地の処理、漆喰の補修などは経験が仕上がりに大きく影響します。プロによる施工は見た目もきれいで、耐久性も確保され、長期的に安心です。 4. 保険対応に慣れている 地震や台風による被害の場合、火災保険や地震保険の適用が期待できます。プロであれば、見積書や被害写真の提出など、申請に必要なサポートも行えるため、補償を受けやすくなります。 費用はかかるかもしれませんが、その分、事故のリスクや再修理のコストを防げるため、結果的にコストパフォーマンスが良くなることがほとんどです。 応急処置をするなら気をつけたい点 どうしても今すぐ雨の侵入を防ぎたい、業者が来るまでに最低限の処置をしておきたい――そんなときに、応急的に自分で対処することもあるかもしれません。 その際は、無理のない範囲で「安全第一」を最優先にした対応を心がけてください。 1. 絶対に屋根の上には登らない たとえ部分的なズレだけに見えても、屋根に登る行為自体が非常に危険です。傾斜や瓦の滑りやすさは、想像以上に転落のリスクを高めます。屋根に登らず、地上や脚立など安全な範囲でできることに留めましょう。 2. ブルーシートを使うなら固定をしっかりと 雨漏りが心配な場合、応急処置としてブルーシートをかける方法があります。ただし、風にあおられて飛ばされることがないよう、重しやガムテープではなくロープや土嚢でしっかり固定することが重要です。脚立を使用する場合も、必ず2人以上で作業し、安全を確保しましょう。 3. 被害箇所の写真を撮っておく 保険申請のためにも、補修前の被害状況をしっかりと記録しておくことが大切です。破損した瓦、ズレの程度、水の侵入箇所など、さまざまな角度から複数枚の写真を残すようにしましょう。 4. 作業は最低限にとどめ、専門業者へ連絡を あくまでも応急処置は一時的な対応です。自分で直そうとせず、状態が落ち着いたらできるだけ早く専門業者に相談し、正式な点検と修理を依頼することが最善策です。 応急処置は“時間稼ぎ”に過ぎません。安全と資産を守るためにも、無理をせず適切な対応を取りましょう。 瓦修理は安全・確実な選択をしよう 瓦屋根の修理は、一見「ちょっとした作業」に見えるかもしれませんが、実際には高所での危険な作業と、構造への理解を必要とする高度な作業が伴います。地震や台風の被害後は、早く直したいという気持ちからつい自分で何とかしようと考えてしまいがちですが、それがかえって被害を悪化させたり、重大な事故につながったりするリスクがあります。 「屋根に登らずに済んでよかった」「プロに頼んで安心できた」といった声は、私たちが日々の現場でいただくご感想の中でも特に多いものです。安全性、仕上がりの質、保険対応など、すべての面で専門業者へ依頼するメリットは大きく、結果的にコストパフォーマンスも良くなります。 もし瓦のズレや破損に気づいたら、まずは無理をせず、現状の写真を撮っておくだけでも十分です。そのうえで、信頼できる業者に状況を見てもらい、適切な処置を相談してみましょう。 大切な住まいとご自身の身を守るために、「安全・確実」を優先した判断が何より大切です。 まとめ 地震や台風で瓦屋根が壊れてしまったとき、自分で直そうとする前に、安全面・施工品質・保険対応のリスクをよく理解しておくことが大切です。 無理をせず、正しい手順で対処することで、大切な住まいとご自身の命を守ることができます。 最後までお読みいただき、ありがとうございました! 屋根の点検・修理はプロにお任せください 弊社では、地震や風災による瓦屋根の破損に対し、現地調査・補修提案・保険申請サポートまで一括で対応可能です。 「自分で直すべきか悩んでいる」「とりあえず現状だけ見てほしい」といったご相談も歓迎しています。 ▶【無料点検を申し込む】 
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